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古い業務ソフトを使い続ける建設会社の危険性と対策を徹底解説

古い業務ソフトを使い続ける建設会社の危険性と対策を徹底解説

建設会社の社長、何年も前に導入した見積ソフトや積算ソフトを、今も使い続けていませんか?

「使い慣れている」「新しいソフトにすると操作が変わる」「まだ問題なく動いている」。こうした理由で、古い業務ソフトを使い続けている会社もあるでしょう。

しかし、ソフトが正常に動くことと、安全に使えることは別です。

特にメーカーのサポートが終了したソフトは、セキュリティ上の弱点が見つかっても修正プログラムが提供されない場合があります。

建設業では、見積書、設計図面、工事原価、工程表、協力会社情報など、重要なデータが業務ソフトに集まっています。

この記事では、古いソフトを使い続ける危険性と、すぐに更新できない場合の現実的な対策を解説します。

1. 古い業務ソフトはなぜ危険なのか

業務ソフトには、発売後も不具合の修正やセキュリティ更新が提供されるものがあります。

しかし、メーカーがサポートを終了すると、新たな脆弱性が発見されても修正されないことがあります。

脆弱性とは、ソフトウェアやシステムに存在するセキュリティ上の弱点です。

攻撃者に悪用されると、不正なプログラムの実行、情報の窃取、システムへの侵入などにつながる可能性があります。

ただし、古いソフトを使用しているだけで必ずサイバー攻撃を受けるわけではありません。危険性は、ソフトの種類、脆弱性の有無、インターネット接続状況、アクセス権限などによって異なります。

重要なのは、現在の使用環境とメーカーのサポート状況を確認することです。

IPA(情報処理推進機構)は、Windows 10のサポート終了に伴う注意喚起で、OSだけでなく、その上で動くアプリケーションのサポート状況も確認する必要があると説明しています。

2. 建設会社で特に注意したい業務ソフト

建設会社では、一般的な事務ソフトに加え、業界特有のソフトを長期間使用することがあります。

  • 見積・積算ソフト:工事金額、単価、原価、取引先情報を管理
  • CADソフト:設計図面、施工図、設備図面などを作成・編集
  • 工程管理ソフト:工事日程、進捗、担当者、協力会社との調整に利用
  • 原価管理ソフト:材料費、外注費、労務費、工事別の採算を管理
  • 会計・給与ソフト:経理情報、従業員情報、支払情報を管理

古いソフトだけでなく、そのソフトを動かすWindowsなどのOS、データベース、周辺機器の管理プログラムも確認する必要があります。

例えば、業務ソフト自体は動作していても、対応するOSのサポートが終了していれば、パソコン全体の安全性に影響する可能性があります。

3. 起こり得る5つの被害

① 不正アクセスやマルウェア感染

未修正の脆弱性が悪用されると、不正アクセスやマルウェア感染につながる可能性があります。

② 図面・見積データの流出

設計図面、見積書、施工データ、取引先情報などが外部へ持ち出されるおそれがあります。

③ 業務停止

ソフトが起動できなくなったり、データが利用できなくなったりすると、見積作成や現場への指示が滞る可能性があります。

④ データの破損・互換性の問題

新しいOSや他社システムとの互換性がなくなり、過去の図面や見積データが正常に開けなくなる場合があります。

⑤ 復旧の長期化

メーカーの保守対応が終了している場合、障害時に修理や復旧の支援を受けられず、業務再開まで時間がかかる可能性があります。

これらはすべての古いソフトで発生するわけではありません。しかし、サポート終了と重要業務への依存が重なると、事故発生時の影響が大きくなり得ます。

中小企業が注意したいサイバー事故の種類や経営への影響については、中小企業が知るべきサイバー保険の全貌と実務ポイントも参考にしてください。

4. 実際に考えられる業務停止のケース

例えば、ある建設会社で、長年使用していた積算ソフトが突然起動しなくなったとします。

翌日までに提出する予定だった見積書が作成できず、過去の工事単価や原価データも確認できません。

さらに、古いソフトのメーカーサポートが終了していた場合、すぐに復旧できるとは限りません。

結果として、見積提出の遅延、発注判断の遅れ、取引先への説明などが必要になる可能性があります。

これは説明のための想定例であり、実際に発生した特定企業の事故ではありません。

ここで社長に考えていただきたいのは、ソフトが故障した場合に、代わりの手段で仕事を続けられるかという点です。

業務システムが停止した際の代替手順については、復旧計画の盲点!公的データで判明したサイバーBCP術も参考にしてください。

5. 古いソフトを使っているか確認する方法

まずは社内で利用している業務ソフトを一覧にします。

確認したい項目は次のとおりです。

  • ソフトの名称とバージョン
  • 利用しているパソコンとOS
  • メーカーのサポート終了日
  • セキュリティ更新の提供状況
  • インターネットや社内ネットワークとの接続状況
  • 保存されているデータの重要度
  • バックアップと復旧手順の有無

特に重要なのは、メーカーが現在も安全性に関する更新を提供しているかという点です。

サポート状況が分からない場合は、販売会社や保守会社へ確認しましょう。

IPAのネット接続製品の安全な選定・利用ガイドでも、サポートが終了した製品の利用を見直し、メーカーへ対応を確認することが案内されています。

6. すぐに更新できない場合の対策

建設業の専用ソフトは、新しいバージョンへの移行に費用や時間がかかる場合があります。

過去の図面データや積算情報との互換性が問題となり、すぐには切り替えられないこともあるでしょう。

その場合は、放置せず、専門家と次の対策を検討してください。

  • ネットワークの制限:業務上必要のないインターネット接続や外部アクセスを制限する
  • 利用者の制限:使用する従業員や端末を限定し、管理者権限を必要最小限にする
  • データの保全:図面や見積データを定期的にバックアップし、復元できるか確認する
  • 端末の保護:対応可能なセキュリティ対策を実施し、周辺システムを最新の状態に保つ
  • 移行計画:いつまでに新しい環境へ移行するか期限と責任者を決める

ただし、ネットワークを制限しただけで脆弱性が解消されるわけではありません。これらは更新までの暫定的なリスク低減策です。

中小企業が実施する基本的な安全対策については、IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」も参考になります。

7. 安全に新しいソフトへ移行する方法

古いソフトを新しくする際には、単に最新版を購入するだけでは不十分です。

建設会社では、過去の図面、見積履歴、原価データなどを継続して利用できるかが重要になります。

  1. 現在のソフトと保存データを洗い出す
  2. 新しいソフトとのデータ互換性を確認する
  3. 重要データをバックアップする
  4. 一部の端末で試験運用する
  5. 従業員への操作説明を行う
  6. 問題がないことを確認して本格移行する

特に、過去のCADデータや見積データは、移行後に実際に開けるか確認してください。

また、移行作業を外部業者へ依頼する場合は、データの取扱い、秘密保持、作業範囲、障害時の対応も確認しておくと安心です。

8. サイバー保険で確認したい事項

古い業務ソフトを使い続けるリスクを考える際、サイバー保険の契約内容も確認しておきたいところです。

サイバー事故が発生すると、原因調査、データ復旧、取引先対応、業務停止などに費用がかかる可能性があります。

ただし、サイバー保険は古いソフトの更新費用や通常の故障を無条件に補償するものではありません。

特に次の点を確認してください。

  • 不正アクセスやマルウェア感染による事故が補償対象となるか
  • 原因調査やデータ復旧の費用が対象となるか
  • 業務停止に伴う利益損失や追加費用が対象となるか
  • サポート終了ソフトの利用が引受条件や免責事由に影響するか
  • 事故発生時に利用できる専門相談窓口があるか
  • 事故通知期限や専門業者への依頼に関する事前承認条件はどうなっているか

サポート終了ソフトの使用が、すべての契約で一律に免責となるわけではありません。保険会社、商品、告知内容、契約条件によって判断が異なります。

また、ソフトの老朽化による通常の故障と、サイバー攻撃による事故では、補償の扱いが異なる可能性があります。

保険で備えることと、ソフトの安全性を確保することは別の対策です。

補償内容を確認する際は、中小企業向けサイバー保険5社を比較!補償内容と選び方を解説も参考にしてください。

9. 社長が今日からできるチェックリスト

専門知識がなくても、社長が担当者に確認できることがあります。

  • 見積・積算・CADソフトのサポートは継続しているか
  • サポート終了日を把握しているか
  • 古いソフトを使用している端末はどれか
  • その端末はインターネットに接続しているか
  • 重要な図面や見積データはバックアップされているか
  • バックアップから実際に復旧できるか
  • ソフトが使えなくなった場合の代替手段はあるか
  • 更新できないソフトの移行計画はあるか

まずは、社内で使用しているソフトの名称とサポート終了日を確認することから始めてください。

一覧にするだけでも、今まで気づかなかったリスクが見えてくる可能性があります。

10. まとめ

古い業務ソフトを使い続けることは、必ずしも直ちに事故につながるわけではありません。

しかし、サポートが終了し、セキュリティ更新が提供されなくなったソフトを重要業務で使用し続けることには注意が必要です。

建設会社では、図面、見積書、工程表、原価情報などが使えなくなると、現場や取引先への影響が広がる可能性があります。

社長に今日確認していただきたいことは一つです。

「会社で使っている見積・積算・CADソフトは、今もメーカーのサポートを受けられますか?」

分からなければ、まず販売会社や保守会社に確認してみてください。

小さな確認が、会社の重要なデータと日々の業務を守る第一歩になります。

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