「サイバー攻撃は大企業が狙われるもの」。そう考えていませんか?
2026年10月17日、テレビ朝日の「グッド!モーニング」は、国内のサイバー攻撃による情報漏えい事案が増加し、特に中堅・中小企業で被害が拡大していると報じました。
調査会社の集計によると、2026年1月から9月までの国内の情報漏えい事案は、漏えいの可能性があるものを含め454件。前年同期比で約50%増加し、4年前の約1.9倍に達しています。
特に従業員300人以下の中堅・中小企業では195件となり、前年の2倍近くに増加しました。
この記事では、報道された数字を正確に整理しながら、中小企業の社長が今すぐ確認できる5つの対策を解説します。
出典:テレビ朝日「サイバー攻撃による情報漏えい4年で1.9倍 中小企業で被害拡大」(2026年10月17日)
目次
情報漏えい事案はどれほど増えているのか
2026年10月17日のテレビ朝日報道で紹介された調査会社の集計では、次の数字が示されています。
- 国内全体:2026年1〜9月に454件
- 国内全体の前年同期比:約50%増
- 国内全体の4年前との比較:約1.9倍
- 従業員300人以下の中堅・中小企業:195件
- 中堅・中小企業の前年との比較:2倍近く
ここで注意したいのは、「国内全体の前年同期比約50%増」と「中堅・中小企業の前年の2倍近く」は異なる集計結果だという点です。
また、この数字は情報漏えいの可能性がある事案を含む集計です。すべての事案で情報流出が確定したという意味ではありません。
増加している攻撃手口
同じ報道では、攻撃の種類別に次の数字も紹介されています。
- ランサムウェア:2026年に88件
- 不正ログイン・乗っ取り:前年43件から72件
- フィッシング:前年11件から43件
ランサムウェアは、データを暗号化して身代金を要求する攻撃などです。業務システムが使えなくなると、営業や受発注に影響する可能性があります。
不正ログインは、盗まれた認証情報などを悪用して、第三者が社内システムやクラウドサービスにアクセスするものです。
フィッシングでは、本物に見せかけたメールやWebサイトなどを通じて、IDやパスワードを盗み取ろうとします。
これらの数字は報道で紹介された集計であり、各攻撃手口の件数を単純に足して国内全体454件の内訳とみなすことはできません。
中小企業が確認したいリスク
中小企業は、大企業と比べて情報システムの管理を少人数で担っている場合があります。
例えば、次のような状態がないか確認が必要です。
- 管理者アカウントのパスワードを複数人で共有している
- 退職者のアカウントが残っている
- クラウドサービスに多要素認証を設定していない
- バックアップを取得しているが復元テストをしていない
- 事故発生時の連絡先や担当者が決まっていない
こうした状態が必ず事故につながるわけではありません。しかし、被害の発生や拡大を防ぐために見直したい項目です。
情報漏えいが経営に与える影響
情報漏えいが発生した場合、企業には原因調査や顧客対応などの負担が生じる可能性があります。
- 原因や影響範囲の調査費用
- 顧客・取引先への連絡と問い合わせ対応
- システムの復旧や安全確認
- 事業停止や受発注の遅れ
- 損害賠償請求への対応
- 顧客や取引先からの信頼への影響
これらは一般的に考えられる経営リスクであり、報道された195件の企業すべてで発生したという意味ではありません。
システム停止に備える取り組みについては、サイバーBCPと復旧訓練の解説も参考にしてください。
社長が確認したい5つの対策
1.管理者アカウントと多要素認証を確認する
メール、会計ソフト、顧客管理システムなどの管理者アカウントを確認します。
多要素認証を有効にし、退職者や担当変更前のアカウントが残っていないか点検しましょう。
2.従業員への注意喚起を具体化する
「不審なメールに注意してください」だけではなく、偽の請求書、配送通知、パスワード再設定メールなどの具体例を共有します。
不審な連絡を受けた場合に、誰へ相談すればよいかを決めておくことも大切です。
3.顧客情報の保存場所とアクセス権限を整理する
顧客情報がパソコン、クラウド、外部委託先のどこにあるのか把握します。
業務に必要な従業員だけがアクセスできるよう、権限を見直しましょう。
4.バックアップと外部サービスの管理を確認する
重要データのバックアップを取得し、復元テストを実施します。
また、外部サービスで事故が発生した場合の連絡先や、データ復旧の役割分担を確認しておきます。
5.事故発生時の初動対応を決める
不正アクセスや情報漏えいが疑われた場合、誰が判断し、どの専門家へ連絡するかを決めておきます。
証拠となるログや端末の状態を不用意に消去せず、専門家と相談しながら対応することが重要です。
サイバー保険の注意点
サイバー保険は、情報漏えいやサイバー攻撃による経済的負担に備える手段の一つです。
契約内容によっては、事故調査費用、顧客対応費用、システム復旧費用、損害賠償責任、事業中断損失などが補償対象になる場合があります。
ただし、すべてのサイバー事故が補償されるわけではありません。免責金額、支払限度額、対象事故、費用支出の事前承認などの条件を確認する必要があります。
特に、外部サービスや委託先で発生した事故、自社システムが停止した場合の営業損失などは、契約によって扱いが異なります。
補償の基本は中小企業向けサイバー保険の実務ガイド、契約内容の違いはサイバー保険の比較ポイントも参考にしてください。
まとめと今日できること
今回の報道では、従業員300人以下の中堅・中小企業で、情報漏えい事案が前年の2倍近くに増加したとされています。
重要なのは、数字を見て不安になるだけでなく、自社の管理状況を確認することです。
今日の一歩:会社で使っているメールと顧客管理システムについて、管理者アカウントの多要素認証が有効になっているかを確認してみましょう。
すべてを一度に変える必要はありません。できる対策を一つずつ実行することが、会社を守る第一歩です。
本記事は2026年10月17日のテレビ朝日報道を基に、2026年10月18日時点で作成しています。報道の集計値と一般的なセキュリティ対策を区別して記載しています。

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